こんにちは!
内科診療歴34年のみさちゃんです。
「最近、お酒の量が増えた気がする…」
「飲まないと落ち着かない」
「家族や友人から飲みすぎを指摘されたけど大したことない」
そう感じている方はいませんか?
アルコールは、適度に楽しむ分には問題ありませんが、
飲酒が習慣化すると 依存症のリスク が高まり、
健康にも悪影響を及ぼします。
アルコール依存症は、本人だけでなく、その家族も巻き込む病気です。
私は35年前の医学生のころ、実習でアルコール依存症・家族の会に参加したことがありました。
患者の妻の方から「アルコール依存症の人とは絶対に結婚しちゃダメよ!」と忠告を受け、
並大抵のご苦労ではないのだろうと思ったのを憶えています。
出典 厚生労働省「アルコール健康障害に係る参考資料」
日本では、
多量飲酒をする20%の人が、全体の約7割のアルコールを消費しているとされています。
大量飲酒を続けることで アルコール依存症や生活習慣病のリスク も上昇します。
この記事では、アルコール依存症のリスクや、
チェックリストを使った セルフ判定法、
健康的な飲酒習慣の作り方について詳しく解説します。
「自分は大丈夫」と思っている方も、
ぜひ一度チェックしてみてください。
アルコール依存症ってなに?
アルコール依存症は、
お酒を飲むことが習慣化し、やめられなくなる病気です。
WHOによる国際疾病分類第10版では、
「アルコール使用による精神及び行動の障害」に分類されており、
精神疾患の一つとされています。
仕事や生活のストレス、
人間関係のストレス、環境変化のストレスなど、
さまざまなストレスを紛らわすために、酒量が増えることがあります。
ここでは、
アルコール依存症のリスクや予防策について
詳しく解説していきます。
日本におけるアルコール依存症の現状
2003年の成人の飲酒実態調査においては、日本におけるアルコール依存症の有病率は、男性1.9%、女性0.1%、全体で0.9%、
アルコール依存者数は約80万人、予備軍も含めると約440万人と推計されています。
近年、日本では飲酒運転の厳罰化が進み、
アルコールによる交通事故の死亡件数は減少傾向にあります。
しかし、依然として
2023年には112人が飲酒運転による事故で命を落とし 、
飲酒運転違反の件数は増加しています。
諸外国の報告では、飲酒運転で事故を起こした人または逮捕された人の25-50%はアルコール依存症とされており、
飲酒運転をさらに減らすことは、アルコール依存症対策なくしては難しいこともわかってきています。
また前述のグラフにあるように、
日本では 多量に飲酒する20%の人が全体の70%のアルコールを消費している ことが
明らかになっており、これはOECD諸国の中で3番目に悪い値です。
多量な飲酒とは、
1日平均で、純アルコール60g以上(ビールなら1.5リットル以上)を摂取する習慣があることを言います。
日本では男性の15%、女性の8%がこれに相当するとされています。
このような大量飲酒が続くと、
アルコール依存症のリスクが高まります。
まず大量飲酒を減らす対策が必要なのです。
アルコールが体に与える影響
生活習慣病のリスク増加
アルコールを 毎日、男性で40g以上、女性で20g以上摂取すると、
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの
生活習慣病のリスクが高まる ことが分かっています。
厚生労働省による令和4年度の「国民健康・栄養調査結果」によれば、
生活習慣病のリスクを高める飲酒をしている人の割合は、
男性13.5%、女性9.0%でした。
下記の計算方法で、ご自身のアルコール摂取量を計算してみてください。
純アルコール量の計算方法
純アルコール(g)= アルコール度数(%) / 100 × 飲酒量(ml) × アルコール比重0.8(g/ml)
例えば、ビール(アルコール度数5%)500mlの場合
0.05 × 500 × 0.8 = 20 g
アルコール摂取量20g以下は、1日あたりの男性の適量とされますが、アルコール代謝力の低い高齢者や女性の適量はこの半分の10g以下が理想です。
精神的な影響
アルコールは一時的にリラックス効果をもたらしますが、
長期的に見ると うつ症状や不安感を悪化 させる可能性があります。
肝臓への負担
過度な飲酒は 脂肪肝・肝炎・肝硬変 など、
肝臓の病気を引き起こす原因となります。
アルコール依存症チェックリスト
「私は大丈夫」と思っていても、
知らないうちに依存状態になっていることもあります。
以下の CAGEテスト でチェックしてみましょう。
CAGEテスト(はい/いいえで答えてください)
- お酒を減らそうとしたことがあるが、うまくいかなかった
- 人から飲みすぎだと注意されたことがある
- お酒のことで罪悪感を感じたことがある
- 朝、迎え酒をしたことがある
2つ以上当てはまる場合 は、
アルコール依存症の可能性があります。
また、 WHOが作成したAUDITテスト を活用すると、
さらに詳しい質問による判定がなされます。
アルコール依存症を防ぐためにできること
適量を守る
- 1回の飲酒量を 純アルコールで男性は20g以下、高齢者・女性は10g以下に抑える
- 休肝日を週に2日以上設ける
適量なアルコールの例 日本酒 180ml、ビール 500ml、ワイン 180ml、ウイスキー 60ml、
焼酎 約110ml、酎ハイ(7%)350ml
食事と一緒に飲む
空腹時の飲酒は アルコールの吸収が早まり 、
悪酔いや急性アルコール中毒のリスクを高めます。
ストレス解消法を見つける
- 運動(ウォーキング・ヨガ)
- 趣味を楽しむ
- リラクゼーション(瞑想・アロマ)
まとめ
アルコール依存症は、
気づかないうちに進行する病気です。
特に ストレスの多い環境にいる人は、
飲酒量が増える傾向 にあるので注意してください。
「ちょっとお酒の量が増えているかも…」と思ったら、
まずは 飲酒習慣を見直す ことが大切です。適量を守り、健康的な生活を心がけましょう。
もしも不安を感じたら…
アルコール専門外来やカウンセリングを受けることで、
適切な対処が可能です。
下記のサイトからアルコール依存症に関する相談ができる全国の医療機関を検索できます。
アルコール依存症ナビ
http://alcoholic-navi.jp/
アルコール依存症の場合は、飲酒量のコントロールができないため、断酒を続けることが唯一の回復法とされています。
参考資料
厚生労働省 アルコール健康障害に係る参考資料
厚生労働省 成人の飲酒実態と関連問題の予防について
厚生労働省 e-健康づくりネット あなたの飲酒量はどれくらいでしょうか?
コメント