運動は心臓を守るお守りです。今日からできる、小さな習慣。
こんにちは。
内科診療歴34年、漢方医でもあるみさちゃんです。
「最近ちょっと歩いただけで息が切れる」「健康診断で“気をつけて”って言われたけど、何をすればいいの?」
そんなふうに感じている方、意外と多いのではないでしょうか。
忙しい毎日、体のことはつい後回しになりがちですよね。
でも実は、ほんの少しの“やさしい運動”が、あなたの心臓を守る力になることが、研究でもはっきりと示されているんです。
この記事では、心臓病と運動の深い関係を、医学的なエビデンスを交えながら、今日から実践できる方法とともに、わかりやすくご紹介します。
なぜ運動が心臓にいいの?
心臓病は、日本人の死因の上位にあげられる深刻な病気です。
特に動脈硬化や高血圧、糖尿病といった生活習慣病との関連が深く、これらを防ぐためにも運動は欠かせません。
厚生労働省の『健康づくりのための身体活動基準2013』では、週150分以上の中等度の運動(少し息が弾むウォーキングなど)が推奨されています。
また、アメリカ心臓協会(AHA)によると、定期的な有酸素運動は心血管疾患による死亡リスクを約20~30%も減少させることが分かっています。
参考: American Heart Association. (2020). Physical Activity and Heart Health
運動不足が心臓に与える影響
運動不足は、心臓や血管の健康に悪影響を及ぼします。
次のようなリスクが知られています:
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心臓の筋肉が弱り、血液の流れが悪くなる → 高血圧や動脈硬化を招く
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エネルギー消費が減る → 内臓脂肪がたまり、心臓に負担がかかる
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血糖コントロールが乱れる → 糖尿病の発症リスクが高まり、心疾患にもつながる
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ストレスが増える → ストレスホルモンが心臓に悪影響を与える
中でも「座りっぱなし」の生活をしている人は、心筋梗塞のリスクが約50%も高まるとも言われています。
参考: 特定健診・保健指導実践支援サイト
どんな運動が効果的?負担をかけずに、心臓を元気に
心臓にやさしい運動とは、“軽く汗ばむ程度”の有酸素運動です。
目安としては、「会話はできるけど、歌はちょっと難しい」くらいのペース。
たとえば、こんな運動がオススメです:
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ゆっくりとしたウォーキング(1日20分でも十分)
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朝のラジオ体操やテレビ体操
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深い呼吸を取り入れたストレッチやヨガ
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階段の上り下り(エレベーターを1階分だけスキップするだけでも◎)
最近では「HIIT(高強度インターバルトレーニング)」という短時間集中型の運動も注目されていますが、体力や心臓への負荷が大きくなるため、持病のある方は避け、医師と相談して無理のない範囲で行いましょう。
続けるための工夫。運動を「特別なこと」にしないコツ
「大切なのはわかってるけど、続かない…」
そんな方におすすめの、日常に運動を取り入れるヒントをご紹介します。
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1日5分だけ始める:「0から1」がいちばん大切です
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お気に入りの音楽やラジオを聴きながら:気分もリフレッシュ
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通勤や買い物に“歩く”時間を少しプラス
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階段を見たらチャンスと思う:特別な運動をしなくても、効果は蓄積されます
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続けた日をカレンダーに丸をつける:小さな達成感がモチベーションに
おわりに
運動は、心臓のためだけでなく、あなたのこれからの毎日をもっと軽やかに、楽しくしてくれる「習慣のプレゼント」です。
「頑張らなきゃ」と構えるより、「今日ちょっとだけやってみようかな」と思う気持ちを大切にしてみてください。
小さな一歩が、未来のあなたを守ります。
やさしく、ゆっくり、一緒に始めてみましょうね。
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