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Shelica globeの活動は「seeding health literacy in children and adults〜世界中の人たちに小さな健康の種を蒔きたい〜」という思いから始まりました。管理人は内科医を30年続けつつ4人の子供を産み育ててきました。子育てと診療の経験から、健康の維持に必要な情報を少しでも多くの人に発信したいと思うに至りました。Shelica globeは、人が健やかな一生を送るために役立つ現代医学・栄養学・食育の情報を、わかりやすく発信するプラットホームを目指します。
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運動不足が心臓病リスクを高める?最新の研究でわかった驚きの事実

2025 4/26
生活習慣病予防
2025年4月17日2025年4月26日

こんにちは!
内科診療歴34年のみさちゃんです。

「最近、体を動かしていないな」「仕事が忙しくて座りっぱなしの生活…」 そう感じている方、多いのではないでしょうか?

現代の生活は便利になる一方で、私たちの身体活動は確実に減っています。そして、それが心臓に大きな負担をかけていることをご存じでしょうか。

この記事では、「運動不足」と「心臓病」の関係にフォーカスし、最新の研究データとともに、今からできる対策についてわかりやすく解説します。

運動不足が心臓に与える影響

1. 心血管系の健康悪化

運動をしないと、心臓の筋肉が弱くなり、血液の循環が悪くなります。これにより心臓にかかる負担が増し、高血圧や動脈硬化などのリスクが上がります。

特に日本では、心臓病ががんに次ぐ死因のひとつであり、その背景には生活習慣、特に運動不足があることが明らかになっています。

2. 肥満のリスク増加

運動不足はエネルギー消費量が減るため、体脂肪の増加を引き起こします。特に内臓脂肪の蓄積は、動脈硬化や糖尿病、高血圧など、心臓病のリスクファクターに直結します。

3. 糖尿病の発症

運動は、血糖値を下げるインスリンの働きを助ける効果があります。逆に運動不足が続くと、インスリンの効きが悪くなり、2型糖尿病の発症リスクが上昇。糖尿病は心臓病のリスクを倍増させることが知られています。

4. メンタルヘルスとストレスの影響

運動はストレスホルモン(コルチゾール)を抑制し、セロトニンやドーパミンといった”幸せホルモン”を増やす働きがあります。運動不足になるとこれらがうまく分泌されず、ストレスが心臓にも悪影響を与えるのです。

参考: 厚生労働省『健康づくりのための身体活動基準2013』 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple.html

最新の研究が示す「運動不足と心臓病リスク」

名古屋大学の研究より:運動が分泌する「マイオネクチン」

名古屋大学の研究チームは、筋肉から分泌されるホルモン「マイオネクチン」に着目。定期的な運動を行うことでこのホルモンが分泌され、動脈硬化を抑制し、心臓病の予防につながることが明らかになりました。

参考: 名古屋大学医学部『Circulation』掲載論文(2018年) https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Circulation_R_20180920.pdf

米国心臓協会(AHA):ウォーキングの重要性

アメリカ心臓協会(AHA)は、1日30分程度のウォーキングでも心臓病のリスクを20〜30%低下させることができると報告しています。座ってばかりの生活(”セデンタリーライフ”)が続くと、心血管イベント(心筋梗塞や突然死)のリスクが高まることがわかっています。

参考: American Heart Association – Physical Activity and Heart Health https://www.heart.org/en/healthy-living/fitness

具体的なリスクとデータで見る影響

  • 心筋梗塞のリスク:運動不足の人は、運動している人に比べて心筋梗塞の発症リスクが高い。特に座りがちな生活をしていると、リスクは約50%上昇。
  • 高血圧:運動は血管を広げて血圧を下げる働きがあるため、運動不足だとこの恩恵が得られず、高血圧になりやすくなります。
  • 動脈硬化:血液の流れが悪くなり、血管が硬くなっていく状態。運動不足はこの進行を促進するとされています。

補足データ: 国立循環器病研究センターでも、運動不足は心疾患の重大なリスク因子として位置づけられています。 https://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/

今日からできる!心臓を守る運動習慣

1. ウォーキングから始めよう

  • 朝や夕方の涼しい時間に、1日20〜30分程度の散歩。
  • おしゃべりできる程度の軽いペースでOK。

2. 階段を使う

  • エレベーターではなく、階段を選ぶだけでも運動量は大きく変わります。

3. デスクワーク中にもできる工夫

  • 1時間ごとに立ち上がってストレッチ。
  • 足踏みや椅子スクワットも効果的。

4. 続けるコツ

  • 無理せず、”少しずつ”を合言葉に。
  • 毎日のスケジュールに組み込んでルーティン化する。
  • アプリやスマートウォッチで記録してモチベーション維持。

おわりに

運動不足は、心臓病を引き起こす数多くの要因を引き出してしまいます。でも逆にいえば、「少し体を動かす」だけで、あなたの心臓はぐっと元気になれるということでもあります。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、“今日からできることを始める”こと。

「いつかやらなきゃ」ではなく、「今ちょっとだけ歩いてみようかな」という気持ちが、未来の自分の健康をつくっていきます。

あなたの心臓が、今日より少しでも軽やかに動けるように。 一歩ずつ、歩き始めてみませんか?

生活習慣病予防
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プロフィール

みさちゃん

こんにちは!
Shelica_blog管理人のみさちゃんです。
【みさちゃんはこんな人】
・4人の子どもを育てつつ、医師として30年以上勤務
・循環器内科で心臓病の患者さんを診療・現在は一般内科医・漢方医としても診療

【ブログを始めるきっかけ】
産業医として会社員の健康管理に携わる中で、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病をコントロールすることの大切さを痛感。生活習慣病の早期発見と早期改善の有効性を実感しました。
しかし、患者さん自らがその重要性を知らなければ本当の意味での健康管理はできません。病気の怖さを知っている医療者だからこそ発信すべき情報は沢山あるのではと思い、ブログを始めることにしました。

【Shelica globe】
Shelica globeには「世界中の人たちに小さな健康の種を蒔きたい」という思いを込めました。
人が健やかな一生を送るために役立つ現代医学・栄養学・食育などの情報をわかりやすく発信していきます。

半下石美佐子
埼玉県立浦和第一女子高等学校卒
筑波大学医学専門学群卒
医師・医学博士
日本内科学会 総合内科専門医
日本循環器学会 循環器専門医
日本東洋医学会 漢方専門医
日本医師会 認定産業医

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