こんにちは、内科診療歴30年のみさちゃんです。
50歳を目前に、体に不調を感じていませんか？
夜中によく目が覚める、だるい、気分が晴れない、イライラする、のぼせるなどの症状があったら更年期症状かもしれません。
更年期症状ってなに？
更年期は性ホルモンの低下により体の変調をきたす期間で、症状が強く、日常生活に支障をきたすと更年期障害と呼びます。これは男女を問わずおこります。
女性は、女性ホルモンであるエストロゲンの低下速度が著しいために、様々な症状をきたします。男性も男性ホルモンであるテストステロンの低下状態により、更年期障害が強い場合があります。
女性の更年期は45歳から55歳までの10年ほどの期間とされています。最近の日本人女性の平均閉経年齢は52歳とのことですので、その前後5年に差し掛かっていたら、何らかの更年期症状が出てきてもおかしくないんです。
女性の更年期症状は、エストロゲン欠乏症状とも言えるもので、エストロゲンの受け皿（受容体）をもつ全ての細胞・組織・臓器（脳、神経、眼、血管、子宮、骨、筋肉、膀胱、乳房など）での欠乏症状が出てきます。ホットフラッシュ、のぼせ、異常な発汗、動悸、めまい、息切れ、関節痛、肩こり、抑うつ、イライラ、不安、不眠、頻尿、尿もれなどです。
更年期障害かな？と思ったら女性の場合は婦人科、女性外来など、男性の場合は泌尿器科、メンズヘルス外来、男性更年期外来などを受診して相談してみましょう。これらの外来では症状に応じてホルモン補充療法が受けられます。また漢方外来では男女関係なく、困っている症状や個人の状態に合った漢方薬を処方してくれますよ。
自身の更年期体験
私は医師として働きながら4人の子供を育てていました。公私ともに忙しかった48歳の時に月経が無くなり、そこからひどい不眠（寝つきが悪い、途中で2-3回起きる）、抑うつ（やる気が出ない、気分が落ち込む、涙もろい）、毛が抜ける、動悸、のぼせ、ホットフラッシュ、めまいなど、様々な不調を経験しました。
これは更年期症状が出ているなと考え、婦人科を受診。果たして更年期障害と診断され、女性ホルモン補充療法、漢方薬、エクオールなどの対処法を勧められました。
更年期障害にしばしば使用される漢方薬は、ドラッグストアで購入できるので、その時は自分の症状に合わせて飲んでみることに。
まず当帰芍薬散を飲んだところ、胃の不快感があり服用を中止。次に加味逍遥散を飲んだところ、気分が少し落ち着いた様に感じましたが、一番困っていた不眠（途中覚醒）の改善はありませんでした。
とりあえず市販の薬を試してみたものの、イマイチ自分に合った漢方がわからず、これを機に漢方薬を勉強しようと思い、まず漢方専門のクリニックを受診。
漢方医学的な診察を受け、煎じ薬を処方され２週間内服したところ、よく眠れる様になり、気分も落ち着きました。その後3ヶ月以上の内服を続け、ほとんどの症状が緩和されて日常生活には支障がなくなったのです。
更年期かなと思ったらまずは受診
更年期には様々な症状が出ますので、全て更年期症状と捉えられがちですが、自己判断は危険！他の病気や、がん、心臓病、脳卒中などの命に関わる病気がある可能性もあります。気がかりな症状は放置せず、かかりつけ医を持って相談し、必要な検査を受けましょう。
2022年に実施された厚生労働省の「更年期症状・障害に関する意識調査」では、さまざまな問題が浮き彫りになっています。中でも、更年期障害を意識していても受診しない人が男女とも８割以上と高いことが示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000969136.pdf
我慢は禁物です。辛いなぁと思ったら、まずは近くの更年期障害を診るクリニックを受診して相談してみましょう！
学会のホームページからもお近くの専門医を検索できます。
日本女性医学学会
https://www.jmwh.jp/n-ninteiseido.html
日本メンズヘルス医学会
https://mens-health.jp/clinic
とてもためになりました(^-^)
ありがとうございます